められるころには、御一新の方針にもとづく各宿駅の問屋の廃止、および年寄役の廃止を告げる総管所からのお触れが半蔵のもとにも届いた。それには人馬|継立《つぎた》ての場所を今後は伝馬所と唱えるはずである。ついては二名の宿方総代を至急福島へ出頭させるようにとも認《したた》めてある。もはや、革新につぐ革新、破壊につぐ破壊だ。
「お母《っか》さん、いよいよ問屋も御廃止ということになりました。」
「そうだそうな。わたしはお民からも聞いたよ。」
「会所もいよいよ解散です。年寄役というものも御廃止です。」
半蔵と継母のおまんとはこんな言葉をかわしながら、互いの顔を見合わせた。
「さっき、わたしはお民とも相談したよ。こんな話を聞いたらあのお父《とっ》さんはきっとびっくりなさる。まあ、お前にも言って置くが、このことはお父さんの耳へは入れないことにせまいか。」
とおまんが言い出した。
さすがに賢い継母も一切を父吉左衛門には隠そうと言うほど狼狽《ろうばい》していた。その年の正月にはおくればせながら父も古稀《こき》の祝いを兼ねて、病中世話になった親戚《しんせき》知人のもとへしるしばかりの蕎麦《そば》を配
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