さ。それを聞いた時は、わたしもギョッとしましたね。ほんとに――あんな少年がですよ。」
二人《ふたり》の話はそこへはいって行った子供らのために途切れた。
「どうだ、正己。」と寿平次は子供をそばへ呼び寄せて、「叔父《おじ》さんと一緒に、妻籠へ行くかい。」
「行く。」
「行くはよかった。」と半蔵が笑う。
「どれ、叔父さんが一つ抱いて見てやろうか。」
と言って、寿平次が正己を抱き上げると、そばに見ていた宗太も同じように抱かれに行った。
「叔父さん、わたしも。」
お粂までもそれを言って、寿平次が弟の子供たちにしてやったと同じことを姉娘にもしてやるまではそばを離れなかった。
「よ。これは重い。」
寿平次はさも重そうに言って、あとから抱き上げた姉娘の小さなからだを畳の上におろした。
「お粂はよい娘になりそうですね。」と寿平次は末頼もしそうに半蔵に言って見せた。「祖母《おばあ》さんのお仕込みと見えて、どこか違う。君たち夫婦はこんな娘があるからいいさ。わたしは実に家庭には恵まれない。」
その時、半蔵は子供らを見て言った。「みんな、祖母《おばあ》さんの方へ行ってごらん。台所で蕎麦《そば》を打って
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