夜も
ええじゃないか、ええじゃないか
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 馬籠《まごめ》の宿場では、毎日のように謡《うた》の囃子《はやし》に調子を合わせて、おもしろおかしく往来を踊り歩く村の人たちの声が起こった。
 十五代将軍が大政奉還のうわさの民間に知れ渡るとともに、種々《さまざま》な流言のしきりに伝わって来るころだ。その中で不思議なお札が諸方に降り始めたとの評判が立った。同時に、どこから起こったとも言えないような「ええじゃないか」の句に、いろいろな唄《うた》の文句や滑稽《こっけい》な言葉などをはさんで囃《はや》し立てることが流行《はや》って来た。
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ええじゃないか、ええじゃないか
こよい摺《す》る臼《す》はもう知れたもの
婆々《ばば》さ夜食の鍋《なべ》かけろ
ええじゃないか、ええじゃないか
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 だれもがこんな謡《うた》の囃子《はやし》を小ばかにし、またよろこび迎えた。その調子は卑猥《ひわい》ですらあるけれども、陽気で滑稽なところに親しみを覚えさせる。何かしら行儀正しいものを打ち壊《こわ》すような野蛮に響く力がある。
 この「ええじゃないか」が
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