》もどうしていますかさ。ひょっとすると、わたしより先に京都へ出ているかもしれません。あの師岡も、今度の大赦にあって、生命拾《いのちびろ》いをしたように思っていましょう。」
青い竹の根のあらわれた土を踏みながら、正香は歩き歩き旧友のことを言い出した。例の三条河原事件で、足利将軍らが木像の首を晒《さら》しものにした志士仲間にも、ようやく解放の日が来た。正香は上田藩の方に幽囚の身となっていた師岡正胤のうわさをして、今日あるよろこびを半蔵に言って見せた。
向こうには馬籠の万福寺の杜《もり》が見える。その畠《はたけ》の間まで行って、しばらく正香と半蔵とはあとから話し話し歩いて来る景蔵らを待った。そこいらには堅い地を割って出て来て、花をつけている春の草もある。それが二人の足もとにもある。正香はどんな京都の春が自分を待ち受けていてくれるかというふうで、その畠の間にある柿《かき》の木のそばへ一歩退きながら、半蔵の方を見て言った。
「さあ、時局もどうなりますか。尊王佐幕の大争いも、私闘に終わってはつまりません。一、二の藩が関ヶ原の旧怨《きゅうえん》を報いるようなものであってはなりませんね。どうしても
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