取り調べて、諸藩衆議の上でお取りきめに相成るべき事との御沙汰である。「兵庫港の儀は止められ候《そうろう》事」ともある。駿河は驚いて、使者の松浦を見た。この勅書には外国公使は決して満足しまい、必ず推して京都に上り彼らの目的を貫かずには置くまい、もしそんな場合にでも立ちいたったら、談判はさておき、殺気立った会津藩士らが何をしでかさないとも限らない、のみならず応接の主任が松平伯耆ではこの事のまとまる見込みがない、もっと外交の事務に通じた人物がありながらこんな取り計らいはいかにも心得がたい、それを駿河が言い出すと、相手の松浦は迷惑がって、自分はただ使いに来たものである、君の議論を聞きに来たものではないと。これには駿河も笑い出した。早速これから大坂へ引き返そう、時間があらば兵庫まで行って見よう、なお、決答の期日を延ばすことはできないまでもなんとか尽力しよう、なるべくはこの談判主任として小笠原壱岐《おがさわらいき》をわずらわしたい、その約束で松浦に別れた。彼はその足で大坂へ帰るために、別手組の馬をも借りることにした。
 その日の午後には、駿河は監察赤松左京を伴い天保山沖に碇泊《ていはく》する順動丸
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