城《きぬがさじょう》を築き、この三浦半島を領していた三浦平太夫という人の名も出て来た。治承《じしょう》四年の八月に、八十九歳で衣笠城に自害した三浦|大介義明《おおすけよしあき》という人の名も出て来た。宝治《ほうじ》元年の六月、前将軍|頼経《よりつね》を立てようとして事|覚《あらわ》れ、討手《うって》のために敗られて、一族共に法華堂《ほっけどう》で自害した三浦|若狭守泰村《わかさのかみやすむら》という人の名なぞも出て来た。
「ホ。半蔵さん、御覧なさい。ここに三浦|兵衛尉義勝《ひょうえのじょうよしかつ》とありますよ。この人は従《じゅ》五位|下《げ》だ。元弘《げんこう》二年|新田義貞《にったよしさだ》を輔《たす》けて、鎌倉《かまくら》を攻め、北条高時《ほうじょうたかとき》の一族を滅ぼす、先世の讐《あだ》を復《かえ》すというべしとしてありますよ。」
「みんな戦場を駆け回った人たちなんですね。」
寿平次も半蔵も互いに好奇心に燃えて、そのくわしい系図に見入った。
「つまり三浦の家は一度北条|早雲《そううん》に滅ぼされて、それからまた再興したんですね。」と七郎左衛門は言った。「五千町の田地をもらっ
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