たい。
『あら物ぐさの翁や。日頃は人の問ひくるもうるさく、人にもまみえじ、人をも招かじと、あまたたび心にちかふなれど、月の夜雪のあしたのみ友の慕はるゝもわりなしや。物をも言はず、獨り酒飮みて、心に問ひ心に語る。庵の戸押あけて雪をながめ、又は盃をとりて筆を染め筆を捨つ。あら物くるほしの翁や。』
[#天から3字下げ]『酒のめばいとゞ寢られぬ夜の雪』
と、芭蕉は自白して居る。
底本:「飯倉だより」岩波文庫、岩波書店
1943(昭和18)年5月5日第1刷発行
1954(昭和29)年9月20日第5刷発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:小川幸子
校正:小林繁雄
2008年10月21日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全4ページ中4ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
島崎 藤村 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング