つて若い学者らしい威厳を加へたやうに見える。友達ながらに一段の難有《ありがた》みが出来た。丑松は何となく圧倒《けおさ》れるやうにも感じたのである。
心の底から思ひやる深い真情を外に流露《あらは》して、銀之助は弔辞《くやみ》を述べた。高柳は煙草を燻し/\黙つて二人の談話《はなし》を聞いて居た。
『留守中はいろ/\難有う。』と丑松は自分で自分を激※[#「厂+萬」、第3水準1−14−84]《はげ》ますやうにして、『学校の方も君がやつて呉れたさうだねえ。』
『あゝ、左《どう》にか右《かう》にか間に合せて置いた。二級懸持ちといふやつは巧くいかないものでねえ。』と言つて、銀之助は恰《さ》も心《しん》から出たやうに笑つて、『時に、君は奈何《どう》する。』
『奈何するとは?』
『親の忌服だもの、四週間位は休ませて貰ふサ。』
『左様もいかない。学校の方だつて都合があらあね。第一、君が迷惑する。』
『なに、僕の方は関はないよ。』
『明日は月曜だねえ。兎《と》に角《かく》明日は出掛けよう。それはさうと、土屋君、いよ/\君の希望《のぞみ》も達したといふぢやないか。君から彼《あの》手紙を貰つた時は、実に嬉しか
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