、大方遊びにでも行つたものであらう。五歳《いつゝ》ばかりを頭《かしら》に、三人の女の児は母親に倚添《よりそ》つて、恥かしがつて碌《ろく》に御辞儀《おじぎ》も為なかつた。珍しさうに客の顔を眺めるもあり、母親の蔭に隠れるもあり、漸《やうや》く歩むばかりの末の児は、見慣《みな》れぬ丑松を怖れたものか、軈《やが》てしく/\やり出すのであつた。是|光景《ありさま》に、姑も笑へば、お妻も笑つて、『まあ、可笑《をか》しな児だよ、斯の児は。』と乳房を出して見せる。それを咬《くは》へて、泣吃逆《なきじやつくり》をし乍《なが》ら、密《そつ》と丑松の方を振向いて見て居る児童《こども》の様子も愛らしかつた。
 話好きな姑は一人で喋舌《しやべ》つた。お妻は茶を入れて丑松を款待《もてな》して居たが、流石《さすが》に思出したことも有ると見えて、
『そいつても、まあ、丑松さんの大きく御成《おなん》なすつたこと。』
 と言つて、客の顔を眺《なが》めた時は、思はず紅《あか》くなつた。
 会葬の礼を述べた後、丑松はそこ/\にして斯の家を出た。姑と一緒に、お妻も亦《ま》た門口に出て、客の後姿を見送るといふ様子。今更のやうに丑
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