ふや
この空を忘れたまふや
いかなれば歎きをすらむ
その父はわれを捨つるに
いかなれば忍びつ居らむ
その妻はわれを捨つるに
くろがねの窓に縋りて
故郷《ふるさと》の空を望めば
浮雲や遠く懸りて
履みなれし丘にさながら
さびしさの訪ひくる外に
おとなひも絶えてなかりし
吾窓に鳴く音を聽けば
人知れず涙し流る
鵯《ひよどり》よ翅を振りて
黄葉《もみぢば》の陰に歌ふか
幽囚《とらはれ》の笞《しもと》の責や
人の身は鳥にもしかじ
あゝ一葉《ひとは》枝に離れて
いづくにか漂ふやらむ
照れる日の光はあれど
わがたましひは暗くさまよふ
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響りん/\音りん/\
響りん/\音りん/\
うちふりうちふる鈴高く
馬は蹄をふみしめて
故郷の山を出づるとき
その黒毛なす鬣《たてがみ》は
冷《すゞ》しき風に吹き亂れ
その紫の兩眼は
青雲遠く望むかな
枝の緑に袖觸れつ
あやしき鞍に跨りて
馬上に歌ふ一ふしは
げにや遊子の旅の情
あゝをさなくて國を出で
東の磯邊西の濱
さても繋がぬ舟のごと
夢長きこと二十年
たま/\ことし歸りきて
昔懷へばふるさとや
蔭を岡邊に尋ぬれば
松柏《しよう
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