エじは、概して簡素で、重厚だ。
今度京都に來て見て意外にめづらしく思つたことはいろ/\あるが、衣、食、住、共に禪家の意匠から發したものの多く殘つてゐることも、その一つだ。遠い昔の遣唐使が支那から持ち來したものの深い影響を奈良に與へたことを思へば、多くの有爲な僧侶が宋時代あたりの支那からこの京都に持ち來したものの多いといふことも、不思議はないかも知れない。
すこし風邪の氣味で、けふは一日千切屋に暮した。青年時代の昔に、江州の方から旅して來て、京都魚の棚、油の小路といふところに泊つて見た日のことが胸に浮んで來る。佛蘭西から旅の歸りに激しく疲れたからだを休めて行つたのも、鴨川の河原から來る照りかへしの暑い日であつたことなぞも浮んで來る。家内は晝過ぎから和辻君の家へ行つて、夕景に戻つて來た。細君や信子さんも若王寺から話しに來た。
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十三日。
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和辻君の周旋で、午前に二條城のあとを見ることが出來た。君等とわたしたち兩人は、思ひがけない人に案内されて、今は離宮となつてゐるあの歴史的な建築物の内の深さに入つて見た。午後に、和辻君等に別れを告げた。三日の滯
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