キでに二階の部屋にも滿ちて來た。この一夏の間、わたしは例年の三分の一に當るほども自分の仕事をなし得ず、せめて煩はなかつただけでもありがたいと思へと人に言はれて、僅かに慰めるほどの日を送つて來たが、花はその間に二日休んだだけで、垣のどこかに眸《ひとみ》を見開かないといふ朝とてもなかつた。今朝も、わたしの家では、十八九輪もの眼のさめるやうなやつが互の小さな生命を競ひ合ふやうに咲いてゐる。これから追々と花も小さくなつて、秋深い空氣の中に咲き殘るのもまた捨てがたい風情があらう。
このごろの日課
海に山に暑さを避けようとする人も多い中で、わたしはこれまで殆んど避暑といふことに出掛けたことのないものの一人だ。夏の凌ぎがたいのは、むしろ梅雨明けのころで、それを通り越せばわたしたちのからだもいくらか暑さに慣れて來る。それに夏は自分の好きな季節でもあつて、暑くてもなんでも割合に仕事の出來るところから、この町中を離れる氣にならない。こゝろみに、このごろの日課を書きつけて見る。
怠けものの體操。これは一名エキサアサイズ・オン・ゼ・ベッドで、半身づゝの極靜かな運動である。枕の上で寢ながら出
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