Nはこの世界文藝大辭典のはじめに序して、『我邦の文藝は今や世界文化の表面に第二の大きなルネエサンスを呼び來すべき重要な使命を持つて進展しつつあるのである』と言ひ、『その時機は徐々に近づきつゝあると感ずる』とも言つて、曾て東洋の宗教哲學思想藝術を集大成した我日本は更に第二の重要な綜合時期に邂逅しつゝあることを警告し、最も公平無私に世界文藝の現象を追究し得る立場に置かれてゐるものは現在われら日本人を措いて他にないとなし、その當然の責務を遂行することによつて文藝意識の高揚を計るこそ、目下の急務であると語つてゐる。おそらくこれを造るために今日まで費された努力、またこれを完成するまでの努力は莫大なものであらう。わたしは君が志をさかんなりとし、多くの讀者諸君もまたこの良い企てに協力せらるゝことを勸めたい。これは尋常一樣の辭典ではない。
愛兒讀本
最近に、わたしは昔の人の筆になつた『童蒙入學問』といふ本を開いて見て、すくなからず心に驚いたことがある。といふは、昔の人が子供の讀本にと書いて與へたのはこんなむつかしい言葉であつたかと思ふからであつた。わたしは又、それらの教へ草があまりに嚴
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