なんだか俺は心細く成って来た。仕方が無いから、こうして坐って見てるんだ」
 と高瀬は妻に話した。
 その日の夕方のことであった、南の戸袋を打つ小石の音がした。誰か屋外《そと》から投げ込んでよこした。
「誰だ」
 と高瀬は障子のところへ走って行って、濡縁の外へ出て見た。
「人の家へ石など放り込みやがって――誰だ――悪戯《いたずら》も好い加減にしろ――真実《ほんとう》に――」
 忌々しそうに言いながら、落葉松《からまつ》の垣から屋外を覗《のぞ》いた。悪戯盛りの近所の小娘が、親でも泣かせそうな激しい眼付をして――そのくせ、飛んだ器量好しだが――横手の土塀の方へ隠れて行った。
「どうしてこの辺の娘は、こう荒いんだろう。男だか女だか解りゃしない」
 こう高瀬は濡縁のところから、垣根越しに屋外に立っているお島に言った。
「大工さんの家の娘とはもう遊ばせないッて、先刻《さっき》誘いに来た時に断りましたら、今度は鞠ちゃんの方から出掛けて行きました……必《きっ》と喧嘩《けんか》でもしたんでしょう……石などを放って……女中でも子守でもこの辺の女は、そりゃ気が荒いんですよ……」
 お島はどうすることも出来な
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