がごとしなんて、君から書いて寄《よこ》したッけネ――是方《こっち》の暑さが思いやられたッけ」
正太は深い、深い溜息《ためいき》を吐《つ》いた。
暮方に、三吉は東京へ向けて、夜汽車で発つことにした。叔父を見送ろうとして、正太は一緒にこの宿を出た。電車で名古屋の停車場まで乗った。時間はまだすこし早かった。正太は燈火《あかり》の点《つ》き始めた停車場の前をあちこちと静かに歩いて、ふと思いついたように叔父に向って、
「貴方の許《とこ》の叔母さんにしろ、吾家《うち》のやつにしろ、今が一番身体の盛んな時でしょう――」
見ても圧迫を感ずるという調子に、彼は言った。
間もなく三吉は新橋行の列車の中に入った。窓の外には、見送の切符を握った正太が立って、何もかも惨酷《むご》いほど身に浸《しみ》るという様子をしていた。車掌は飛んで来て相図の笛を鳴らした。正太は前の方へ曲《こご》み気味に、叔父をよく見ようとするような眼付をした。三吉も窓のところに、濡《ぬ》れ雫《しずく》に成った鶏のようにションボリ立っていた。
「叔母さんにも宜《よろ》しく……」
と正太が言う頃は、汽車は動き出していた。
停車場の灯
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