は皆な私に眼を着けてる……」
「それに、君、森彦さんは彼方へ行ってるしサ――何かにつけて相談してみるサ」
「そうです。森彦叔父さんと私とは、全く別方面ですから、仕事は違いますけれど……あの叔父さんも、いよいよ今度が最後の奮闘でしょう――私はそう思います――まあ、彼方へ出掛けて、あの叔父さんの働き振も見るんですネ」
「でも、あの兄貴も……変った道を歩いて行く人さネ。何を為《し》てるんだか家のものにまで解らない……それを平気でやってる……あそこは面白いナ」
「何かこう大きな事業《こと》をしそうな人だなんて、豊世なぞもよくそう言っています」
「あの兄貴は一生夢の破れない人だネ――あれで通す人だネ――しかし、ナカナカ感心なところが有るよ。お俊ちゃんの家なぞに対しては、よくあれまでに尽したよ。大抵の者ならイヤに成っちまう……」
豊世が貰い物だと言って、款待顔《もてなしがお》に羊羮《ようかん》なぞを切って来たので、二人は他の話に移った。
「ここまで来て、眺望《ながめ》の好い二階を見ないのも残念だ」という叔父を案内して、一寸《ちょっと》豊世は楼梯《はしごだん》を上った。何となく二階はガランとしてい
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