京するというは、三吉にも想像し得るように思われた。
 門前には、車が待っていた。正太は車夫を呼んで、心忙《こころぜわ》しそうに自分の家の方へ帰って行った。


 お種がお仙と一緒に東京へ着いた翌々日、正太はその報告がてら、一寸《ちょっと》復た三吉叔父の家へ寄った。
「一昨日、母も無事に着きました」と正太は入口の庭に立ったまま、すこし改まって言った。
「お雪」と三吉は妻の方を見て、「姉さん達も御着に成ったとサ」
 お雪は最早三番目の男の児を抱いている頃であった。橋本の姉の上京と聞いて、微笑《ほほえ》みながら上《あが》り端《はな》のところへ来た。
「月でも更《かわ》りましたら、御緩《ごゆっく》り入来《いら》しって下さい」と正太は叔父叔母の顔を見比べて、「叔母さんも、何卒《どうぞ》叔父さんと御一緒に――母もネ、着きました晩なぞは非常に興奮していまして、こんな調子じゃ困ったもんだなんて、豊世と二人で話しましたが、昨日あたりから大分それでも沈静《おちつ》いて来ました――」
 簡単に母の様子を知らせて置いて、正太は出て行った。
 月でも更ったらと、正太が言ったが、久し振りで三吉は姉に逢おうと思って
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