》た同じことを繰返します。そりゃあ、もう目に見えています」
叔父に逢って談話《はなし》をして見ると、正太は頭脳《あたま》がハッキリして来た。父の家出――つづいて起った崩壊の光景――その種々《さまざま》の記憶が彼の胸に浮んで来た。三吉の方でも、甥《おい》の顔を眺めているうちに、何となく空恐しい心地《こころもち》に成った。
「こりゃ姉さんにも、すこし考えて貰わんけりゃ成らんネ」と三吉が言出した。
正太は力の籠《こも》った語気で、「ですから、私は母親さんを引留めようと思います……」
「大きにそうだ。今ここで、下手に会見なぞさせる場合では無いネ」
「もし母親さんが是方《こちら》へ参りましたら、叔父さんからもよく話して遣《や》って下さい」
お種が帰らない夫を待つことは、最早《もう》幾年に成る、とその時三吉も数えて見た。娘お仙を夫に逢わせて見たら、あるいは――一旦《いったん》失われた父らしい心胸《こころ》を復た元へ引戻すことも出来ようか――離散した親子、夫婦が集って、もう一度以前のような家を成したい――こう彼女が、一縷《いちる》の希望を夫に繋《つな》ぎながら、心|竊《ひそ》かに再会を期して上
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