えて見ました。いずれこれは、何処《どこ》かの温泉場へ阿爺を呼寄せて、そこで会見しようという希望が、母親さんに有るらしいんです……どうもそうらしい……唯母親さんが出て来るものとは、どうしても私に思われません」
猶《なお》、的確《たしか》に言うために、正太は幸作から近く来た手紙の模様を叔父に話した。両親が、世間へは内証で、互に消息を通わせていることをも話した。
「母親さんからどういう手紙が行くものですか、それは解りませんが――」と正太はその話を継いで、「阿爺の手紙は、豊世が受取って、それから母親さんの方へ取次いでいます。時々、私も目を通します……」
「どんな風に、君の父親《おとっ》さんからは書いて寄すものかネ」と三吉が聞いた。
「あの年齢《とし》に成って、ああいう手紙を交換《とりかわ》してるものかと思うと、驚く……」と言って、正太は歎息して、「私達が書く手紙なぞとは、全然《まるっきり》違ったものなんです」
「どうでしょう、仮に、達雄さんが郷里《くに》へ帰ったとしたら――」
「そりゃ、叔父さん、阿爺が帰れば必ず用いられます――土地に人物は少いんですからネ。そこです。用いられれば、必ず復《ま
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