宜様のところへ行って来てくれや」
「正太さん、僕も一緒に行きましょう」
と三吉は甥《おい》の側へ寄った。
遠い神主の寓居《すまい》の方から、三吉、正太の二人が帰って来た頃は、近い親戚のものだけ残った。お倉は取るものも手に着かないという風で、唯もう狼狽《ろうばい》していた。お俊は一人で気を揉《も》んだ。会計も娘が預った。
「お雪」と三吉が声を掛けた。「お前は今日は御免|蒙《こうむ》ったら可かろう」
「叔母さん、何卒《どうぞ》御帰りなすって下さい」とお俊が言った。
奥に机を控えていた森彦は振向いた。「そうだ。子持は帰るが可い。俺もこの葉書を書いたら、今日は帰る……通知はなるべく多く出した方が可いぞ……俊、もっと葉書を出すところはないか。郷里《くに》の方からもウント香典を寄《よこ》して貰わんけりゃ成らん」
死んだ娘の棺を側に置いて、皆な笑った。
暮れてから、通夜をする為に残った人達が一つところへ集った。豊世は正太の傍へ行って、並んで睦まじそうに坐った。
「世間の評判では、僕は細君の尻《しり》に敷かれてるそうだ」
こう正太は当てつけがましいことを言って、三吉やお倉の方を見ながら笑っ
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