ついで》に、是非一緒に連れてッてくれ」
 こう実は、婚礼のあった翌日、三吉に向って茶話のように言出した。
 巣を造るか造らないに最早《もう》こういう難題が持上ろうとは、三吉も思いがけなかった。お杉やお倉ですら持余《もてあま》している宗蔵だ。その病人の世話が、嫁《かたづ》いて来たばかりのお雪に届くであろうか、覚束《おぼつか》なかった。実の頼みは、茶話のようで、その実無理にも強《し》いるような力を持ていた。とにかく、三吉は田舎へ発つまでに返事をすることにした。
 一方に学校を控えていたので、そう三吉もユックリする余裕は無かった。不取敢《とりあえず》、森彦、宗蔵の二人の兄に妻を引合せて行きたいと思った。
 名倉の母達が泊っている宿からは、柳行李《やなぎごうり》が幾個《いくつ》も届いた。「まあ、大変な荷物だ」と稲垣も来て言って、仮にそこへ積重ねてくれた。
 稲垣の家は近かった。三吉はお雪を連れて、その方に移されていた宗蔵を訪ねた。この病人の兄は例の縮《ちぢ》かまったような手を揉《も》んで、「遠方から御苦労様」という眼付をして、弟の妻に挨拶《あいさつ》した。
「宗さんには逢《あ》った。これから森
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