一緒に面白い趣向をして見せるぞい。ちゃんともう御隠居さんには打合せをして置いたからネ」
こうお種が言うので、豊世は不思議そうに、
「母親さんはまた何を成さるんですか――」
「まあ、何でも好いから、お前の羽織を出して貸しとくれ」
豊世の羽織には裏に日の出に鶴をあらわしたのが有った。お種はそれを借りて、裏返しにして着て見せた。
「真実《ほんと》に、何を成さるんですか」と豊世が心配顔に言った。「母親さん、下手な事は止《よ》して下さいよ」
「お前のように、楽屋でそんなことを言うもんじゃないぞい――見よや、日の出に鶴だ。丁度|御誂《おあつらえ》だ。これで袴を穿《は》いて御覧、立派な万歳《まんざい》が出来るに」
豊世は笑って可いか、泣いて可いか、解らないような気がした。
「旅の恥は掻捨《かきすて》サ」とお種が言った。「気晴しに、私も子供に成って遊ぶわい……それはそうと、豊世は御隠居さんの許《ところ》へ行って、御仕度はいかがですかッて見て来ておくれや」
姑の言付で、豊世は部屋を出た。平素《ふだん》から厳格な姑のような人に、そんなトボケた真似《まね》が出来るであろうか、こう思うと、豊世はハラハ
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