預けてある。今度は俺《おれ》は逢《あ》わなかった。見舞として菓子だけ置いて来た――なにしろ、お前、兄貴の家では非常な変り方サ。でも兄貴は平気なものだ」
「姉さんも御心配でしょうねえ」
こう夫婦が話し合っていると、お房はそこへ来て茶を飲みたいと迫る。母が飲ませてやると言えば、それでは聞入れなかった。なんでもお房は自分で茶椀《ちゃわん》を持って飲まなければ承知しなかった。終《しまい》には泣いて威《おど》した。
「未だ独《ひと》りで飲めもしないくせに」
と言って、お雪が渡すと、子供は茶椀の中へ鼻も口も入れて飲もうとした。皆なコボして了《しま》った。
「それ、御覧なさいな」とお雪は※[#「※」は「巾へん+白」、第4水準2−8−83、134−17]子《ハンケチ》を取出した。
「ア――舌打してらあ。あれでも飲んだ積りだ」と三吉が笑う。
「この節は何でも母さんの真似《まね》ばかりしてるんですよ。母さんが寝れば寝る真似をするし、お櫃《ひつ》を出せば御飯をつける真似をするし――」
「どれ、父さんが一つ抱ッこしてみてやろう――重くなったかナ」と三吉は子供を膝《ひざ》の上に載せてみた。
お房の笑顔《え
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