の品々めずらしくも無い物に御座候えども、御送り申上候。乾塩引は素人《しろうと》の俄《にわ》か干しに候間、何分身は砕け、うまみも無く候。されど今は斯《こ》の品ばかりの時節に候。尤《もっと》も、斯の品にて小なる物一本四十五銭に御座候。送り物に直段書《ねだんがき》などは可笑《おか》しく候。
――御話もいろいろ有之候えども、今日は之にて御免を願い上げ候。福子へも宜敷《よろしく》御伝え下されたく候。先《まず》は、あらあら。
母 よ り
雪子どの
末筆ながら旦那様へ宜敷御申訳くだされたく、御頼申上げ※[#「※」は「まいらせそろ」の略記号、読みは「まいらせそろ」、116−14]。又、御近所へは何も進《あ》げる物なきゆえ、何卒々々よろしく御伝え下されたく候」
お雪はしばらく生家《さと》へも書かなかった。この母からの便りは彼女に種々《いろいろ》なことを思わせた。お雪は、母の手紙を顔に押当てて、泣いた。
「どうしてそう家が面白くないんでしょうねえ」
こうお雪は夫の傍へ子供を抱いて来て、嘆息するように言った。奥の庭の土塀
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