二人|洋傘《こうもり》を持って写したもので、顔のところだけ掻※[#「※」は「てへん+劣」、第3水準1−84−77、83−1]《かきむし》って取ったのもあった。
三吉の方の写真も出て来た。お雪は妹に指して見せて、この帽子を横に冠ったのは三吉が東京へ出たばかりの時、その横に前垂を掛けているのが宗蔵、中央《まんなか》に腰掛けて帽子を冠っている少年が橋本の正太、これが達雄、これが実、後に襟巻《えりまき》をして立ったのが森彦などと話して聞かせた。
「どうです、この兄さんは可愛らしいでしょう」
と三吉もそこへ来て、自分がまだ少年の頃、郷里《くに》から出て来た幼友達と浅草の公園で撮ったという古い写真を出して、お福に見せた。
「まあ、これが兄さん?」とお福は眺めて、「これは可愛らしいが、何だか其方《そっち》はコワいようねえ」
お雪も笑った。お福がコワいようだと言ったは、三吉の学校を卒業する頃の写真で、熟《じっ》と物を視《み》つめたような眼付に撮れていた。
お雪が持って来た写真の中には、女の友達ばかりでなく、男の知人《しりびと》から貰ったのも有った。名だけ三吉も聞いたことの有る人のもあり、全く知
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