の学校の半分しかなかった。お福の学校では二月の余も休んだ。裏の畠《はたけ》の野菜も勢よく延びて、馬鈴薯《じゃがいも》の花なぞが盛んに白く咲く頃には、漸《ようや》く三吉も暇のある身《からだ》に成った。
三吉は新《あらた》に妹が一人|増《ふ》えたことをめずらしく思った。読書の余暇には、彼も家のものの相手に成って、この妹を款待《もてな》そうとした。お雪は写真の箱を持出した。
名倉の大きな家族の面影《おもかげ》はこの箱の中に納められてあった。風通しの好い南向の部屋で、お雪姉妹は集って眺《なが》めた。養子して名倉の家を続《つ》いだ一番|年長《うえ》の姉、※[#「※」は「○の中にナ」、82−15]という店を持って分れて出た次の姉、こういう人達の写真も出て来る度《たび》に、お雪は妹と生家《さと》の噂《うわさ》をした。お福の下にまだ妹が二人あった。その写真も出て来た。姉達の子供を一緒に撮《と》ったのもあった。この写真の中には、お雪が乳母と並んで撮った極く幼い時から、娘時代に肥った絶頂かと思われる頃まで、その時その時の変遷《うつりかわり》を見せるようなものがあった。中には、東京の学校に居る頃、友達と
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