う》さんはお雛《ひな》の家《うち》へも遊《あそ》びに行《い》つて見《み》ました。幼少《ちひさ》い時分《じぶん》から父《とう》さんを抱《だ》いたり負《おぶ》つたりして呉《く》れたあのお雛《ひな》の家《うち》へも、もう遊《あそ》びに行《ゆ》かれないかと思《おも》ひまして、お別《わか》れを告《つ》げるつもりもなく遊《あそ》びに行《ゆ》く氣《き》になつたのです。お雛《ひな》の父親《ちゝおや》の名《な》は數衛《かずゑ》と言《い》つて村《むら》でもきたないので評判《ひやうばん》な髮結《かみゆひ》ですとは、前《まへ》にもお話《はなし》して置《お》いたと思《おも》ひます。日頃《ひごろ》父《とう》さんはそのきたない髮結《かみゆひ》の子《こ》に育《そだ》てられたと言《い》つて村《むら》[#ルビの「むら」は底本では「む」]の人達《ひとたち》にからかはれて居《ゐ》ましたから、數衛《かずゑ》の家《うち》へ遊《あそ》びに行《ゆ》くところを誰《たれ》かに見《み》つけられたら、復《ま》た人《ひと》にからかはれると思《おも》ひました。そこで父《とう》さんはお墓參《はかまゐ》りに行《ゆ》く道《みち》の方《はう》から、成《
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