ゐ》る蜂《はち》が庭《には》なぞへ飛《と》んで來《き》て花《はな》の蕋《しべ》を出《で》たり入《はい》つたりするのを見《み》かけるでせう。それからあの黄色《きいろ》い蓋《ふた》のしてある蜂《はち》の巣《す》の見事《みごと》に出來《でき》たのを見《み》かけることも有《あ》るでせう。蜂《はち》は汚《きたな》いものでは有《あ》りません。もしお前達《まへたち》が木曾《きそ》でいふ『蜂《はち》の子《こ》』を食《た》べ慣《な》れて、あたゝかい御飯《ごはん》の上《うへ》にのせて食《た》べる時《とき》の味《あぢ》を覺《おぼ》えたら、
『父《とう》さん、こんなにおいしものですか。』
と言《い》ふやうに成《な》るでせう。
ある日《ひ》、友伯父《ともをじ》さんは裏《うら》の木小屋《きごや》の近《ちか》くにある古《ふる》い池《いけ》で蛙《かへる》をつかまへました。土地《とち》のものが地蜂《ぢばち》の巣《す》を見《み》つけるには、先《ま》づ蛙《かへる》の肉《にく》を餌《え》にします。それを友伯父《ともをぢ》さんはよく知《し》つて居《ゐ》ましたから、細《ほそ》い竿《さを》の先《さき》に蛙《かへる》の肉《にく》を差
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