めたといふことには、大《おほ》きな力《ちから》がありますね。
四四 蜂《はち》の子《こ》
地蜂《ぢばち》といふ蜂《はち》は、よく/\土《つち》のにほひが好《す》きと見《み》えまして、地《ぢ》べたの中《なか》へ巣《す》をかけます。土手《どて》の側《わき》のやうなところへ巣《す》の入口《いりぐち》の穴《あな》をつくつて置《お》きます。
蜜蜂《みつばち》、赤蜂《あかばち》、土蜂《つちばち》、熊《くま》ン蜂《ばち》、地蜂《ぢばち》――木曾《きそ》のやうな山《やま》の中《なか》にはいろ/\な蜂《はち》が巣《す》をかけますが、その中《なか》でも大《おほ》きな巣《す》をつくるのは熊《くま》ン蜂《ばち》と地蜂《ぢばち》です。熊《くま》ン蜂《ばち》は古《ふる》い土塀《どへい》の屋根《やね》の下《した》のやうなところに大《おほ》きな巣《す》をかけますが、地蜂《ぢばち》の巣《す》もそれに劣《おと》らないほどの堅固《けんご》なもので、三|階《がい》にも四|階《かい》にもなつて居《ゐ》て、それが漆《うるし》の柱《はしら》で支《さゝ》へてあります。こんなに地蜂《ぢばち》の巣《す》[#「巣《す》」は底本で
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