人生に相渉るとは何の謂ぞ
北村透谷

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)異《あや》しきまでに

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)亦|斯《かく》の如し。

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「窗/心」、第3水準1−89−54]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)晃々《くわう/\》たる
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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 繊巧細弱なる文学は端なく江湖の嫌厭を招きて、異《あや》しきまでに反動の勢力を現はし来りぬ。愛山生が徳川時代の文豪の遺風を襲ひて、「史論」と名《なづ》くる鉄槌を揮《ふる》ふことになりたるも、其の一現象と見るべし。民友社をして愛山生を起たしめたるも、江湖をして愛山生を迎へしめたるも、この反動の勢力の欝悖《うつぼつ》したる余りなるべし。
 反動は愛山生を載せて走れり。而して今や愛山生は反動を載せて走らんとす。彼は「史論」と名くる鉄槌を以て撃砕すべき目的を拡めて、頻《しき》り
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