山庵雑記
北村透谷
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)寤《さ》むる時
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)如意|却《かへ》つて
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「鹿/(鹿+鹿)」、第3水準1−94−76]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
(例)軽《かろ/″\》しく
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其一
夢見まほしやと思ふ時、あやにくに夢の無き事あり、夢なかれと思ふ時、うとましき夢のもつれ入ることあり。寤《さ》むる時、亦た斯《かく》の如し、意《おも》はざらんと思ふに意ひ、意はんと思ふに意はず。左《さ》りとて意の如くならぬをば意の如くせまじと思ふにもあらず、静に傾き尽きなんとする月を見れば、よろづ意の儘にならぬものぞなき、徐《おもむ》ろに咲き出《いづ》らん花を待つに、よろづ心に任せぬものぞなき。如意|却《かへ》つて不如意。不如意却つて如意。悲しむも何かせむ。歓ぶも何かせ
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