「平和」発行之辞
北村透谷

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)爾来《じらい》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)時機|稍《やうやく》到来し、

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「山+角」、72−上−23]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)抑《そも/\》
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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 過ぬる明治二十二年の秋、少数の有志相会して平和会なる者を組織せり。爾来《じらい》同志を糾合《きうがふ》し、相共に此問題を研究し来りしが、時機|稍《やうやく》到来し、茲《こゝ》に一小雑誌を刊行して我が同胞に見《まみ》ゆるの栄を得たるを謝す。
 平和の文字甚だ新《あらた》なり、基督教以外に対しては更に斬新なり。加ふるに世の視聴を聳《そびや》かすに便ならぬ道徳上の問題なり。然《しか》れども凡《およ》そ宗教の世にあらん限り、人の正心《コンシヱンス》の世界を離れぬ限り、吾人は「平和」なる者の必須にして
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