となりて世の識者を動かさん事こそ、吾人が切に自《みづか》ら任《たの》むところなれ。更に言ふ、吾人は宗教と併行し、道心と相|聯《つらな》り、以て吾人の希望を達せんと期す。戦争は政治家の罪にあらずして、人類の正心の曇れるに因《よ》つてなることを記憶せられよ。幸に江湖《よ》の識者来つて、吾人に教へよ、吾人をして通津《つうしん》を言ふの人たらしむる勿《なか》れ。吾人は漁郎《ぎよらう》を求めつゝあり、吾人をして空言《くうげん》の徒《とも》とならしむる勿れ。天下誰れか隣人を愛するを願はざる者あらむ。
[#地から2字上げ](明治二十五年三月)
底本:「現代日本文學大系 6 北村透谷・山路愛山集」筑摩書房
1969(昭和44)年6月5日初版第1刷発行
1985(昭和60)年11月10日初版第15刷発行
初出:「平和 一號」平和社(日本平和會)
1892(明治25)年3月15日
入力:kamille
校正:鈴木厚司
2005年1月27日作成
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