阿部からは、自分達は半分恐ろしさにハラハラしながら、一生懸命労働組合の人達に引きずられてやっている。あれ以来ゲッソリ痩せてしまった。――S村で考えていたようなものでない、と云ってきていた。)然し、健はそういう「訓練」を受けることの出来ない自分を残念に思った。
情報、七
争議勃発以前申立てた「小作調停」に対して、十五日旭川裁判所に、伴外一名の代表が呼び出され、出頭した。
(勝見小作官、判事、調停申立人伴外一名、地主岸野。)
判事――お前達は誠意をもって、おとなしく解決する気か、騒いで解決する気か。
伴――こっちは不誠意でも何んでもありません、地主が不誠意なのです。
判事――小樽あたりで演説会を何故やるか。どこ迄も喧嘩腰でやる気なら、調停を取り下げて貰いたい。
小作官――お前達が喧嘩をして勝つと、小作人全体がきかなくなるから、そんな事をして貰っては実に困るじゃないか――お前等は金がない、味噌がないと云うが何故小樽あたりへ行けるのか。
伴――組合支部の応援で行ってるのだ。
これは一字一句も直していない。それもたった一部の写しでしかない。
これを読んだら「調停裁判」の本質
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