てるようにしなければならない。
蹴散らされたとは云うものゝ、本工のなかに二人メンバーが残っている。又解雇されたものたちは、それぞれの仕事を探がして散らばって行ったが、その中には伊藤と須山のグループが十人近くいる、従ってそれらとの連絡を今後とも確保することによって、私たちの闘争分野はかえって急に拡がりさえした。
彼奴等は「先手」を打って、私たちの仕事を滅茶/\にし得たと信じているだろう、だが実は外ならぬ自分の手で、私たちの組織の胞子《たね》を吹き拡げたことをご存知ないのだ!
今、私と須山と伊藤はモト以上の元気で、新しい仕事をやっている……(前編おわり)
(一九三二・八・二五)
作者附記。 この一篇を同志蔵原惟人におくる。
底本:「党生活者」新日本文庫、新日本出版社
1974年12月20日初版発行
入力:細見祐司
校正:浜野 智
1998年11月10日公開
2002年1月14日修正
青空文庫作成ファイル:
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