。私は「基金カンパ」を起しているのだと云って、会う同志毎に五銭、十銭とせしめた。こうなると、須山の「神田伯山」もないものだ、と私は苦笑した。須山や伊藤は心配してくれた。自分たちは合法的な生活をしているので、金が無くても致命的ということは尠《すくな》いし、それに誰からでも金は借りられると云うので、日給から五十銭、一円と私のために出してくれた。私は、そういう金はウカツに使えないと思ったので、仕事のための交通費に当て、飯の方を倹約した。なす[#「なす」に傍点]が安くて、五銭でも買おうものなら、二三十もくるので、それを下のおばさんのヌカ味噌[#「ヌカ味噌」に傍点]の中につッこんで貰《もら》って、朝、ひる、夜、三回とも、そのなす[#「なす」に傍点]で済ました。三日もそれを続けると、テキ面に身体にこたえてきた。階段を上がる度に息切れがし、汗が出て困った。
 腹が減り、身体が疲れているのに、同じものだと少しも食欲が出なかった。終《しま》いには飯にお湯をかけ、眼を力一杯につぶって、ザブ/\とかッこんだ。それでも飯のあるときはよかった。夜三つ位の連絡を控えていて、それも金がないので歩き通さなければならな
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