皆んなの前でそんな考え方の裏を掻いて、女工たちにちゃんと納得させるという段になると、下手《へた》だし、うまく反駁《はんばく》が出来ない。「歯がゆくて仕方がない」と云った。私は伊藤のこのことは本当だと思った。私たちは今度の戦争の本質が何処にあるかということは、ハッキリ知っている。然し自惚《うぬぼ》れなく、私たちはそのことをみんなに納得させること、つまりみんなの毎日の日常の生活に即して説明してやることでは、まだ/\拙《まず》いのだ。レーニンは、戦争の問題では往々にして革命的労働組合でさえ誤まることがあると云っている。そこへもってきて清川と熱田とかはモットそれを分らなくするために努力しているのだから、益々《ますます》むずかしい。
会社では此頃五時のところを六時まで仕事をしてくれとか、七時までにしてくれとか云って、その分に対しては別に賃銀を支払うわけでもなかった。そんなことは此頃では毎日のようになっていた。臨時工などはブツ/\云いながらも、それをしなかったりすると、後で本工に直して貰《もら》えないかも知れないと云うので、居残った。が、六時迄やるとどうしても弁当を食わなければ出来ない。弁当代は
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