傍点]と思うんだが、どうだろう?」
 須山は、誰かゞそれを「極左的だ」と云ったかのように、それに力をこめて云った。
 私は「独断《ドグマ》」ではなく、「納得」によって闘争を進めて行かなくてはならぬ。それで私は黙って、たゞ問題が正しい方向に進むように、注意していたゞけだった。ところが、それは矢張り正しいところへ向ってきていた。殊に伊藤や須山が仕事のやり方を理窟からではなく、刻々の工場内の動きの解決という点から出発して、而《し》かもそれが正しいところに合致しているのだ。これは労働者の生活と離れていないところから来ていることで、我々の場合こゝに理論と実践の微妙な統一がある。
 ――私は、それを極左的だというのは、卑怯《ひきょう》な右翼\日和見《ひよりみ》主義者が自分の実践上での敗北主義をゴマ化すために、相手に投げつける言葉でしかないと、須山に云った。須山は「そうだ!」と云った。
 私はそこで、私の案を持ち出した。瞬間、抑えられたような緊張がきた。が、それは極く短い瞬間だった。
「俺もそうだと思う……」
 須山はさすがにこわばった声で、最初に沈黙を破った。
 私は須山を見た。――と、彼は、

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