せ、須山や伊藤に万一のことがあった場合、あとのものが直ちに予定された新しい部署について仕事が一日でも遮断《しゃだん》されることがないように手筈を決めた。須山や伊藤に何か事が起れば、工場にいると直《す》ぐ分るので、その時は新しい細胞が須山と私との連絡場所にやってくることにしてあった。私たちの会合は闘争の司令部なので、どんなことがあっても連絡が絶たれ、そのために一刻を争うときに対策や方針が出ないということは階級的裏切りであった。誰かゞやられ連絡が切れたゝめに、うまく行かなかった――こういう今迄のやり方は、恰《あた》かも我々に最初から弾圧が無いかのような、又はそれを全く予想していないかのような、敗北的な見地に立っている。誰かゞやられるかも知れないのは分り切っているのだ。私たちは、だから最初から二段、三段の準備をして闘争をすゝめて行かなければならぬ。
事実「僚友会」で乱闘をやってから、須山は極度に危くなっていた。須山は今日やられるか、明日やられるかを覚悟して、毎日工場に出ていた。工場なので、仕事をしているときに「一寸《ちょっと》来い」をやられると、それっきりだった。然し組織の可能性が高まって
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