、「ストライキにでもなったら、ウンと威張ってやるけれど、隣近所の人に女工ッて云うのは矢張り恥かしいわ!」
 みんなに、何時かもう一度行こうか、ときくと、行こうというのが多いそうだ。それはあの芝居を見ると、うち[#「うち」に傍点]の(うち[#「うち」に傍点]のというのは、自分の工場のことである!)おやじとよく似た奴がウンといじめられるところがあるからだという理由だった。
 伊藤が、何気ないように、どうせ俺ら首になるんだ、おとなしくしていれば手当も当らないから、あの芝居みたいに皆で一緒になって、ストライキでもやって、おやじ[#「おやじ」に傍点]をトッちめてやろうかと云うと、みんなはニヤ/\して、
「ウン……」と云う。そしてお互いを見廻しながら、「やったら、面白いわねえ!」と、おやじのとッちめ方をキャッ/\と話し合う。それを聞いていると、築地の芝居と同じような遣《や》り方を知らず識《し》らずに云っていた。
 伊藤の影響力で、今迄のこの仲間に三人ほど僚友会の女工が入ってきた。それらは大ッぴらな労働組合の空気を少しでも吸っているので、伊藤たちが普段からあまりしゃべらない事にしてある言葉を、平気で
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