している大勢力なんだ」と云って、この「小さくして戦闘的な党」を根こそぎにするために、何百万倍も大きな図体《ずうたい》の彼奴等が躍気《やっき》となっている、だから、この小さい俺達一人々々と雖《いえど》もそれだけの「自負」を持って仕事をして行かなければならないと云った。
「それア素晴しい自負だ!」と云って、その時私たちは無精《むしょう》に喜んだ。その自負を最後まで貫徹するために、彼奴等に、捕まったりしてはならなかった。
 下宿がこんな具合だと危険この上もない。私や須山や伊藤はメーデーをめざして倉田工業を動かそうと思っている。六百人の臨時工の首切と伴って、私たちさえしっかりしていれば、その可能性は充分にあった。それを今やられたら、全く階級的裏切となるのだ。Sは此《こ》の頃\枕《まくら》もとに太身のステッキと草履を用意して寝ることにしているそうだ。私はそのことに気付いたので、まだ実行していなかった物干に草履をおいて置くために、途中一足買って戻ってきた。
 私は須山と会ってみて、「赤狩り」は何も外《そと》ばかりでないことを知った。――連絡に行くと、向うから須山が顔一杯にほう[#「ほう」に傍点]帯
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