んせい》が出来そうだ」
「冗談じゃねえど。今火たいていねえ時で、こんだんだど。燃《た》いてる時なんて!」
「んか、な。んだべな」
「印度《インド》の海渡る時ア、三十分交代で、それでヘナヘナになるてんだとよ。ウッカリ文句をぬかした一機が、シャベルで滅多やたらにたたきのめされて、あげくの果て、ボイラーに燃かれてしまうことがあるんだとよ。――そうでもしたくなるべよ!」
「んな……」
汽罐《かま》の前では、石炭カスが引き出されて、それに水でもかけたらしく、濛々《もうもう》と灰が立ちのぼっていた。その側で、半分裸の火夫達が、煙草をくわえながら、膝《ひざ》を抱えて話していた。薄暗い中で、それはゴリラがうずくまっているのと、そっくりに見えた。石炭庫の口が半開きになって、ひんやりした真暗な内を、無気味に覗《のぞ》かせていた。
「おい」吃りが声をかけた。
「誰だ?」上を見上げた。――それが「誰だ――誰だ、――誰だ」と三つ位に響きかえって行く。
そこへ二人が降りて行った。二人だということが分ると、
「間違ったんでねえか、道を」と、一人が大声をたてた。
「ストライキやったんだ」
「ストキ[#「ストキ」に
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