氣で腕に針を通したり、燒火箸をつかんだりするそれと同じことを會得した。だから、××だ! その緊張――それが知らず知らずの間に知つた氣合だかも知れない――がくると、割合にそれが×えられた。
 こゝでは、石川五右衞門や天野屋利兵衞の、×××××××は××××××××では決してなかつた。それは××××××××。然し勿論かういふことはある――刑法百三十五條「被告人に對しては丁寧親切を旨とし、其利益となるべき事實を陳述する機會を與ふべし。」(※[#感嘆符二つ、1−8−75]])
 水をかけると、××ふきかへした。今度は誘ひ出すやうな戰法でやつてきた。
「いくら××したつて、貴方達の腹が減る位だよ。――斷然何も云はないから。」
「皆もうこツちでは分つてるんだ。云へばそれだけ輕くなるんだぜ。」
「分つてれば、それでいゝよ。俺の罪まで心配してもらはなくたつて。」
「渡君、困るなあ、それぢや。」
「俺の方もさ。――俺ア××には免疫なんだから。」
 後に三四人××係(!)が立つてゐた。
「この野郎!」一人が渡の後から腕をまはしてよこして、×を××かゝつた。「この野郎一人ゐる爲めに、小樽がうるさくて仕方がね
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