蓮花公主
蒲松齢
田中貢太郎訳
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)膠州《こうしゅう》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)四座|方《まさ》に
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「馬+付」、第4水準2−92−84]馬《ふば》
−−
膠州《こうしゅう》の竇旭《とうきょく》は幼な名を暁暉《ぎょうき》といっていた。ある日昼寝をしていると、一人の褐色《かっしょく》の衣を着た男が榻《ねだい》の前に来たが、おずおずしてこっちを見たり後を見たりして、何かいいたいことでもあるようであった。竇《とう》は訊いた。
「何か御用ですか。」
褐衣《かつい》の人はいった。
「殿様から御招待にあがりました。」
竇は訊いた。
「殿様とはどんな方です。」
褐衣の人はいった。
「すぐ近くにおられます。」
竇はそれについていった。褐衣の人はぐるりと路を変えて、牆《へい》をめぐらした家の旁を通って案内していった。楼閣の建ち並んでいる処があった。褐衣の人はそこを
次へ
全11ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
田中 貢太郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング