》をして起きた。僧は微笑して言った。
「宰相の占は、しるしがあったかな」
 曾はますます驚いて、僧を拝して教えを請うた。僧は言った。
「徳を修めて仁を行うなら、火※[#「火+亢」、第4水準2−79−62]《かこう》中にも青蓮がありますじゃ、このわしが何を知りましょうや」
 曾は思いあがってきて、すっかり気をおとして帰ったが、それから台閣《だいかく》の想いはあわいものになった。そして山へ入ったが終った所がわからなかった。



底本:「中国の怪談(二)」河出文庫、河出書房新社
   1987(昭和62)年8月4日初版発行
底本の親本:「支那怪談全集」桃源社
   1970(昭和45)年発行
入力:Hiroshi_O
校正:noriko saito
2004年11月3日作成
青空文庫作成ファイル:
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