成仙
蒲松齢
田中貢太郎訳
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)文登《ぶんとう》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)今|遇《あ》った
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「敞/毛」、第3水準1−86−46]《しょう》
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文登《ぶんとう》の周生《しゅうせい》は成《せい》生と少い時から学問を共にしたので、ちょうど後漢の公沙穆《こうさぼく》と呉祐《ごゆう》とが米を搗《つ》く所で知己《ちき》になって、後世から杵臼《ききゅう》の交《こう》といわれたような親しい仲であったが、成は貧乏であったから、しょっちゅう周のせわになっていた。そのうえ歯《とし》も周がうえであったから、成は周の細君を嫂《ねえ》さんと呼んで尊敬し、季節季節にはかならず来て一家の人のようにしていた。そうしているうちに周の細君がお産をした後で暴《にわか》に死んでしまったので、周はその継《あと》へ王姓の女を聘《めと》った。成はすこしささわりがあって来なかったので、王氏にはまだ
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