、其の後は次第に忘れられていた。ところで、昭和二年の夏になって、又其の話がむしかえされるようになった。それは其の空地で芝居をやったところで、好天気でもあり客は満員の盛況であったが、一幕終った比から天気が急変して大雨になり、続いて其の翌日も、翌々日も、五日続けて同じような時刻になって雨が降ったので、芝居はめちゃめちゃになり、土地の人は阿芳の怨霊をそれに結びつけたのであった。



底本:「怪奇・伝奇時代小説選集3 新怪談集」春陽文庫、春陽堂書店
   1999(平成11)年12月20日第1刷発行
底本の親本:「新怪談集 物語篇」改造社
   1938(昭和13)年
入力:Hiroshi_O
校正:noriko saito
2004年9月25日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全6ページ中6ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
田中 貢太郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング