家の者もやはりそういって※[#「王+玉」、第3水準1−87−90]に冗談をいったが、後になってその鸚鵡は鎖《くさり》を断《き》って亡《に》げていった。玉も※[#「王+玉」、第3水準1−87−90]も始めて阿英が旧約があるといった言葉の意味を悟ることができた。
※[#「王+玉」、第3水準1−87−90]は阿英が人でないことを知ったが、しかし阿英のことを忘れることができなかった。嫂はなお一そう阿英のことを思って朝夕に泣いていた。玉は阿英に出ていかしたことを後悔したが、どうすることもできなかった。二年して玉は※[#「王+玉」、第3水準1−87−90]のために姜《きょう》氏の女を迎えたが、※[#「王+玉」、第3水準1−87−90]はどうしても満足することができなかった。
玉に従兄《いとこ》があって粤《えつ》で司李《しほうかん》をしていた。玉はその従兄の所へいって長い間帰らなかったところで、たまたま土寇《どこう》が乱を起して、附近の村むらは、大半家を焼かれて野になった。※[#「王+玉」、第3水準1−87−90]は大いに懼れて、一家の者を伴《つ》れて山の中へ逃げた。そこにはたくさんの男女がいた
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