呼子と口笛
石川啄木

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)且《か》つ

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)徹頭徹尾|煽動家《せんどうか》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地から2字上げ]一九一一・六・一五・TOKYO
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  はてしなき議論の後
[#地から2字上げ]一九一一・六・一五・TOKYO

われらの且《か》つ読み、且つ議論を闘《たたか》はすこと、
しかしてわれらの眼の輝けること、
五十年前の露西亜《ロシヤ》の青年に劣らず。
われらは何を為《な》すべきかを議論す。
されど、誰一人、握りしめたる拳《こぶし》に卓をたたきて、
[#ここから横組み]‘V NAROD!’[#ここで横組み終わり]と叫び出《い》づるものなし。

われらはわれらの求むるものの何なるかを知る、
また、民衆の求むるものの何なるかを知る、
しかして、我等の何を為すべきかを知る。
実に五十年前の露西亜の青年よりも多く知れり。
されど、誰一人、握りしめたる拳に卓をたたきて、
[#ここから横組み]‘V NAROD!’[#ここで横組み終わり]と
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