セ。やがてわかる時が来るだろう。
といってね。文句というものは、またたびと同じようになかなか調法なものさ。」
黒猫は口もとににやりと微笑を浮べたかと思うと、そのまま起き上って、足音も立てず草の中に姿を隠してしまいました。
「腹の中に虫が……。変だなあ。人間って奴、どこまで分らないずくめなんだろう。」
知慧自慢の第二の雀が焦茶色の円い頭を傾《かし》げて、さもさも当惑したように考え込むと、残りの雀も同じように腑に落ちなさそうな顔をして、きょろきょろしていました。
短気ものの蜜蜂は、悔《くや》しまぎれに直接行動でも思い込んだらしく、誰にも言葉を交わさないで、いきなり小さな羽を拡げて、森から外へ飛び出しました。
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肖像画
少年少女のために
むかし、天保の頃に、二代目一陽斎豊国という名高い浮世絵師がありました。
あるとき、豊国は蔵前の札差《ふださし》として聞えた某《なにがし》の老人から、その姿絵を頼まれました。どこの老人もがそうであるように、この札差も性急《せっかち》でしたから、絵の出来るのを待ちかねて、幾度か催促しました。ところが、多くの絵師のそれと
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